元最強女総長は甘くない。
「ってあれ……?」
ん?
「君……もしかして片瀬さん?」
え、今更……?
「そうです、先ほどはありがとうございました」
あぁ、こんなこと話してる暇なんてないのに。
「そうか、さっき失礼な態度とってごめんね」
「いえ、お気になさらず」
早く探さないと。
ただでさえ暗くて見つけにくいのに。
「……キーホルダー?」
私が必死に見回していると、不意に今日あまり聞かなかった声が聞こえた。
紅狼の総長さんだ。
「え、あ……はい!」
「これか……?」
そう言って総長さんが取りだしたのはキラキラと輝く、宝石がたくさん着いたキーホルダー。