元最強女総長は甘くない。
分かっているけど知らないフリをする。
私は自覚したくないだけ、そんなの自分でもちゃんと分かってる。
でも、それでも、認めてしまえば挫けてしまうかもしれない。
過去に打ちひしがれている暇なんてないんだ。
振り返らない、そう決めたから。
だからみんなだって私に合わせてくれてるんだ……夜さんだって。
私はいつでも弱かった。
総長だった時だって、今だって。
ただただ見せかけだけ偽りの仮面を被って強がってるだけ。
……そうしてないと辛いから。
そう、なんだって自分のためだ。
私は…最低なやつなんだよ。
「…ら、紗楽?」