短編小説集 (恋愛)
「やっぱり、私達が海先輩と若菜先輩が付き合ってるって言ったの、気にしてる?」
振り返った先にいたのは俺の隣の席の女だった。
てか、なんでこいつ俺のこと勝手に『涼くん』なんて呼んでくるの?
しかもこのタイミングで!
勝手に自分の都合で怒っていると、女はまた口を開いた。
「ごめんね〜。私達、勘違いしてたみたいで!」
「…は?」
「何のこと?」と続けるより先に、女は喋り出す。
「海先輩に、確認してみたの! 涼くんが自分は若菜先輩の彼氏だって言うから」