短編小説集 (恋愛)
今の私の顔は今までにないくらい真っ赤だった。
彼は私の真剣な告白に漸く(ようやく)私の言っている意味がわかったようでどんどん真っ赤になっていく。
「私は佐々山(さざやま)涼くんが、大好きです…!」
そこまで言うと、彼は私をギュッと抱きしめた。
「——もう。遅いですよ…」
「…涼くん?」
「俺だって、若菜先輩のことが、大好きです…」
彼の顔も、私の顔も赤らんでいく。
「嬉しいです…。俺、夢見てるんじゃないですよね…?」
「疑ってるんなら、もっかい言ってあげようか?りょ、涼くん、大好きです」
「もういいですって! それより、前に咲真のこと可愛いって…」
「それは後輩として! 私の好きな涼くんは可愛いしかっこいいし優しいし頭いいし運動神経いいし——」
私が褒め言葉の連鎖を彼に浴びせると彼は私の言葉を遮る。
「だーっ!やめてください可愛すぎます」