短編小説集 (恋愛)
指摘された私は、最初は『何言ってんの? 全然! そんなことないよ』とか言って否定していた。
だが『先輩のことならわかりますよ。嘘つかないでください』と言い出す由真くんに私は観念して『じゃあ昼に屋上来てくれる?』と呼び出して今に至るわけだ。
「呼び出したのはね、聞きたいことがあったからなんだ」
そう言うと彼の顔が硬直する。
「な、なんでしょう?」
しかもちょっと噛んでるし…。
どうしたんだろう由真くん。
なんか、いつもと違うな…。
そう思いながらも聞いてみた。