短編小説集 (恋愛)
楽しいデート。








それを大好きな涼くんと。







きゃ—————!








今、背中に文字を書いて何を書いたか当てるゲームをしているけど、今のところ私の全勝。








「先輩…」






こちらをちらりとも見ずに涼くんが喋り出す。







「あの…そろそろ先輩呼び卒業してもいいですか?」







「え?」







それを聞いて疑問に思う。





じゃあなんて呼ぶんだろう。







「わ…若菜…」






ドキン






大きく鼓動が高鳴る。





今…若菜って…。








「……って呼んでも、いいですか?」








そう続けながら振り向く涼くんはとても卑怯(ひきょう)。






そんな風に聞かれたら、私は弱い。







「えええぇっ、い、いいけど…」






それを聞いた涼くんは意地悪に顔をニヤリとさせる。






なんだか嫌な予感。






「「けど」? けど何?」






そう言って顔を近づける。





最近涼くんは意地悪になってきた。






わかってるくせに!
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