俺がしあわせにします
俺はもう家でくつろいで来たけど、和奏さんは仕事帰りだったんだ。

家に帰ってきたら、お茶飲んで一休みしたいのは当たり前だ。

「あの、すみません!俺大丈夫ですから、和奏さん、飲んでください」

キッチンに向かって声をかけた。

「ありがとう。でも、ごめんね。もう淹れちゃった」

振り返った和奏さんの手には、マグカップが2つ乗ったお盆が握られていた。

「ミルクよかったら使ってね」

俺の前にマグカップを置いて、ローテーブルの真ん中にミルクピッチャーを置いた。

「はい、ありがとうございます」

和奏さんは、俺の向かいの座布団の上に座る。

俺も下に降りて、座り直した。

「話聞きづらいんで、俺もおります」

「うん」

和奏さんは、マグカップのコーヒーを一口飲んだ。

俺もカップを手にとって口をつけた。

俺を見ていた和奏さんと目が合った。

「なんか、緊張するね」

「はい」

俺も緊張していたから素直に答えた。

カチコチと時計の秒針の動く音が聞こえた。

何も話さない和奏さんを前にして、
どれくらいこうしていたのだろう。
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