俺がしあわせにします
好きな人の誕生日に最悪な事実を目撃し、真実を知った俺は、これからどうするか考えている。

しかし、考えても考えても答えが1つしか見つからない。

もっといい方法がありそうなのに。

このまま、諦める選択肢はやはり選べなかった。

そりゃさ、もうフラれたも同然かもしれないけどさ。
でも、このまま、俺の気持ちを告げず、なかったことにはできない。

よし、ちゃんと言う。
俺は、彼女との距離がこれ以上広がることも覚悟して、決意した。

いつも通り出社する。
いつも通り席に座って、予定を確認して、仕事を始める。

昨日俺が見てたなんて、露ほども知らないんだろう。
和奏さんに変わった様子はない。

『お疲れさまです。今夜少しだけお時間いただけますか?』

もう戻れない、おれは意を決して、彼女にメッセージを送った。

程なくして、モニターの片隅にアラートが出る。
和奏さんから返信がきた。

『お疲れさま。20時以降なら時間あるけど、大丈夫かしら?』

彼女は今日は残業するらしい。

『構いません。合わせます』

『ありがとう、じゃあ、20:30にお願いします。ごはん食べる?』

『承知しました。では、食事の店を適当に決めて連絡します』

『わかりました。お願いします。では、連絡待ってるね』


アポ取り終了。
フウと一息ついて、コーヒーを飲んだ。

よし!
焦って肝心なこと言い忘れないように、言う言葉考えなくちゃ。

思いながら、俺は仕事に戻った。
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