俺がしあわせにします
20時30分の5分前に、ガラガラと静かに引き戸が開いた。

「お疲れさま、待たせちゃった?」

心配そうに和奏さんが俺に聞く。

「いえ、俺もさっききたところです。それにまだ5分前ですし」


「うん、そうなんだけど」

言いながら、俺の向かい側に座った。

「もしかして、仕事急かしちゃいました?」

俺も、そうだったら申し訳ないと思い聞いた。
和奏さんは、「大丈夫よ」と笑顔を見せた。

「よかったです。何飲みますか?」

テーブルに置いてあったメニューを広げた。

「わたしは、ビールでいいや、倉科くんは?」

「俺もビールで。生ですか?それともたまには瓶でグラスとか?」

ちょっと変わった地ビールのページが目についたので、開いてすすめてみた。

和奏さんは、美味しそうなの、たくさんあるね〜とページを眺める。

どうやら気になるものがあったらしい。その写真をうっとりと見つめている。

「これが気になるんですね。じゃあ、これにしましょう」

和奏さんが見つめていた写真を指差して、確認する。
にっこり頷く和奏さん。
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