俺がしあわせにします
そんな俺たちの様子を、同じくおかわりしたお茶を飲みながら、にこにこ微笑んで見てた修二が口を開いた。

「颯多、落ち着いた?そろそろ話せる?」

「え?」

俺は修二の声に振り返った。

「え?じゃないよ。そのために来たんだけど?」

「そうそう、そのために呼んだんだけど?」

ハルが乗る。

なんかもうこのまま、忘れちゃった方がいい気がしてたけど、それじゃ俺もここに来た意味が半分になるっていうか。

俺は今夜の和奏さんとのことを話した。

実はここへ来て、修二を待つ間に俺は、酒こそ飲んでいないが、一気飲みしたり、ちびちび飲んだり、相変わらず閑古鳥の鳴く店内を見渡して、ハルを、からかったりしたおかげで、落ち込んだ気持ちは随分癒されて、通常運転に戻りつつある。

フラれた事実も受け止めることができて来ていたのだ。

それなのに、よく思い出して、順を追って二人に話していたら、あの時の光景が鮮明に蘇ってきた。

俺の質問に正直に答える和奏さん。

平静を装って受け止めて、冷静に返す俺。

心の中では、どうして?とハテナマークが並んでいたんだ。

ふと、隣で、真剣に静かに俺の話を聞く修二と目が合った。

「ねぇ、どうして俺と和奏さんは出会ったのかな?」

そんなことを口にしていた。
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