俺がしあわせにします
「あいつ何時ごろになるって?」

「うん、18時ごろ上がれるって。俺がご馳走するって言ってんのに、修二のやつ、俺が作るから無理しなくていいとか言ってさ。俺の感謝の気持ち丸無視なんだよ」

今朝の出来事をハルに愚痴った。
本気で頭にきてるとかじゃもちろんないけどさ。

「なら、ここのが都合いいじゃん。作りたいんだから、作ってもらえばいいだろ」

「作りたいんじゃなくて。俺が作れないから仕方なくだよ」

「いや、違うね。あいつなりのエールでしょ。おまえに向けての」

「え?エールって」

「いい加減気づけよ。俺たちに隠し事は無駄だって。おまえは顔に書いてあるんだからさ」

「え?まさか!」

思わず、ガラス窓に自分の顔を映した。

いつもと変わらないカオがそこにはあったのに。

「18時か。もうすぐだな」

壁の時計を確認していた。

それから、ハルにも昨日のお礼を言って、他愛もない話をしていると、キィと音を立てて扉が開いた。

あ、来た。

俺は扉の方を振り返った。
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