俺がしあわせにします
「颯多、何食べたい?ここには食材ないと思って色々買ってきたから、好きなもの言って」

「ほとんど食材なくて悪かったな。ここは高級料亭じゃないので、あしからず」

「だから買ってきただろ。そのかわり、ハルはデザートの用意してよ。スペシャルなのね」

「へーい」

ハルの嫌味をサラッと交わして、指示を出す。

大人しくハルが返事した。

俺はしっくりこないけど、とりあえず冷蔵庫を覗いて、リクエストを考えた。

牛肉、豚肉、鶏肉、卵に野菜、各種調味料、ほぼ空っぽだったお店の冷蔵庫が修二の買ってきた食材で満員御礼になっていた。

あ、お酒もたくさんある。
これ前に美味しいって言ったやつだ。

よく、覚えてるなぁ。さすが俺の彼氏(笑)

「修二、俺、肉じゃがと特製サラダが食べたい」

「了解!じゃあ米炊かないとね。ハル頼まれてくれる?」

「了解」

俺のリクエストを快く受け入れ、ハルを巻き込んで、準備にとりかかる。

一人暮らし歴は同じくらいなのに、俺と修二の料理の腕前は天と地ほども差がある。

やってきたか、来なかったか。
それだけのことだけどね。
当然俺はやって来なかった。

はっきり言うと、やる必要性を感じなかった。

俺がフラれたことがない話を前にしたけど、平たくいうと、モテてた。と思う。

彼女、もしくは彼女気取りの女のコが頼まなくても、手料理を振る舞ってくれた。
それが日常茶飯事だった。
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