はやく俺のモノになればいいのに
実柑にくっついて、3年の校舎に向かう。
同じ学校だけど普段ならまず足を踏み入れることのない空間だから緊張するなあ。
「実柑って、恋する気満々なのに、彼氏作らないよね」
なんだかんだ、人の恋愛話にばかり興味もっているというか。
過去の恋バナはしても、今誰が好きだとかって話は全然しない。
桜井先輩のことは冷めちゃったみたいだし、そもそもにファン的な感情だった。
「なんか。そういう気分になれないんだよね」
「へ?」
「人の恋バナ聞いてると面白いのに、いざ自分がするってなると乗らない……というか」