はやく俺のモノになればいいのに
「着いたー。ここだよ!」
「3年、2組……」


やってきました、ユキさんのクラス。


ここにいる誰もがオトナっぽくて、圧倒的場違い感なのは私ひとりだけ。


「いるかな」


堂々と歩いてきた実柑は、3年女子に負けず劣らず――いいや、それ以上のオーラを放っている。


たまにすれ違う男子生徒が実柑を見ていたのは、1年がここにいるのは珍しい以上に、実柑が可愛いくて目立っているからに違いない。


教室の隅々まで見渡すも、ユキさんの姿はなかった。

いつも一緒の3人もいない。


「まだ登校してる人多くはないね。3年にもなると慣れてるからみんなギリギリに来るのかも」
「どうしよう」
「粘るか、出直すか。昼休みに食堂向かうか」


作戦会議をしていた、そのとき。


「上野ちゃん?」
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