はやく俺のモノになればいいのに
――我が王子、登場
「お、おはようございますユキさん!」
「おはよ」
会えちゃった。
うれしい。
ホンモノのユキさんが目の前にっ……!
「どうしたの、こんなとこで」
そりゃそうですよね。
ここに1年が来るなんて、用事でもなきゃあり得ないですもんね。
「俺に会いに来てくれたの?」
今、私、絶対に顔が赤い……。
「はい」
「クラス知ってたんだ」
「あ、実柑が教えてくれて」
少し遅れて
「よく一緒にいる友達?」
と返事がくる。
「はい。一緒に来たんですけど、なぜか、桜井先輩と……どこか行っちゃいまして」
「ふーん。仲いいんだ、あの2人」