はやく俺のモノになればいいのに
仲いいか悪いか、そのへんはよくわからないのですが。
ふと、廊下がざわつき始めたことに気づく。
「なにあの子」
「なんで桜井くんだけじゃなくて御幸くんとまで仲良さげなの」
「ていうか御幸くんが話してる」
「まさか一緒に帰ってたとかいう1年って――」
飛び交う言葉は、きまって私たちの話。
さすがは人気者。
注目のされ具合がハンパじゃない。
そして私は、歓迎されている空気ではない。
「すみません、押しかけたりして」
「なんで?」
「え……。その。迷惑だったかな、と」
朝からお騒がせしてしまった感が否めない。
「モモが俺に会いたくて来てくれたんじゃないの?」
「それは……ハイ。勿論です」
「だったら迷惑なんて思わない」