はやく俺のモノになればいいのに
写真には、ユキさんの隣で口をあんぐり開けているマヌケな私が。
「ちょ、消してくださいそれ!!」
ユキさんが階段に腰掛けたので、私もつられて隣に座る。
「えっ……ユキさん?」
なに勝手に操作しちゃってるんですか。
「もう送っちゃった」
「誰にです!?」
「モモの友達」
実柑に送ったんですね。
実柑になら、何を見られてもいいか。
今私は先輩といるよって説明が省けた。
でも、どうせ撮るなら、できるだけ写りのいいものが良かったな。
「も、もういっかい撮りません?」
「んー。イヤだ」
「え!?」
「あんまり写真得意じゃないから」
だったらなぜ撮ったのですか。
しかし、これは私の写りは最強に悪いけど、とても貴重なショットというわけですね。
……やっぱり絶対に消さない。