はやく俺のモノになればいいのに
そんな美しい顔して、澄んだ声で、


「ヘンタイ」


そういうこと言わないでくださいっ……。


でも私は、優しいだけじゃなくて、ちょっとだけイジワルなところも好きだなって思う。


結局ユキさんならなんでも好きになっちゃうのかもしれない。


そんな気がしてきた。


「送ってきて、いいよ」
「へ?」
「聞いて欲しいこととか。なんでも」


ユキさんは受験生で忙しい、のに。


「通話でもいいし」


……ツウワ?


「気軽に」


連絡して、いいの!?


「モモ」
「はい!」
「そろそろ教室向かわないと遅刻する」
「えっ……もうそんな時間ですか」


つい、考えてしまう。


まだここにいたいなって。
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