はやく俺のモノになればいいのに
――――ドクン
「……ただの後輩なのに」
「そんな風に見てない。モモは、他のことは全然ちがう。特別な女の子だと思う」
"トクベツナオンナノコ"
「ユキさんの言葉に。私が、どれだけ揺さぶられるか……わかりますか」
「わかるよ。酷いことしてるって思う」
「だったら、どうして……」
「俺がとってあげた黒ごまを可愛がってるモモも。俺の言葉に頬を染めるモモも。今、泣きそうになってるモモも――全部まとめて愛くるしいと思う」
わからない。
私を苦しめている人が苦しそうな顔をしてそんなことを言う理由が、わからない。
「ユキさんは。カノジョにするつもりがない子と。キス、できるんですね」
「できるよ」
正直すぎるユキさんが、憎い。