はやく俺のモノになればいいのに
ウソでも違うって言って今だけは夢を見させて欲しいと思う。
そうでなきゃ心が壊れてしまいそう。
「俺。ミカンちゃんに殺されちゃうな」
ユキさんは、わかっていたんだ。
実柑がユキさんに一番やってほしくないこと。
"誠意みせてもらおうじゃないの。うちのモモに手を出してポイ捨てなんてしようものなら。ただじゃおかない"
【1秒で嫌われる自信ある】
だから、苦手だと言った。
ユキさんと私の"好き"は、
まったくのベツモノだった。
「俺の本音を打ち明けたとき。モモが俺の傍にいる未来が想像できない」
ユキさんからかけてもらった言葉を忘れられたら、どれだけ気持ちが軽くなるだろう。
「ううん。そんな未来、あっちゃいけないんだ」
ごめんね、と
ユキさんが私を抱きしめる。
「大好きだよ。モモ」