はやく俺のモノになればいいのに


翌日、昼休みのことだった。


「おせぇな。はやくしろよ」


食堂に入ったら


「一年?」
「教室で食ってろよなー」


同級生が下級生に横柄な態度をとっていた。


そんな場面を見たのは初めてではない。


どうでもよかった。

他人の日常なんて。


こちらから入っていくつもり、

なかったのに――……


「ごめん。すぐ買うね」


気づいてしまった。


それが、昨日会った女の子だと。
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