はやく俺のモノになればいいのに
これは、恋心じゃない。
俺は君の理想の男ではないし
近づくべきじゃないと
そう気づいていながらも
「俺はまだやんで欲しくないかな」
思わせぶりな態度で君を繋ぎ止めた。
いいや。
「だって雨が降ってるうちは、モモとこうしていられるから」
――――俺でいっぱいにした。
君の喜びそうな言葉を選んで伝えると
そんなズルくて汚い俺の心なんて知りもせずに君は本当に嬉しそうにしていた。
それが、俺も、嬉しかった。