はやく俺のモノになればいいのに
「これはもう運命だね、モモ」


カツ丼そっちのけで恋バナを始めるモモを半分無視してハーブチキンに食らいつく。


パリッパリの皮は食感も良ければ香りも良く、レモンがふりかけられているのがアクセントになっていて爽やかで、量もちょうどいい。

これにしてよかった。


「ちょっとー。聞いてる?」


お兄さんから離れた席に座った私たちは、遠くに見えるお兄さん含む4人組に視線を向けている。


「聞いてるよ。でも……まさか、同じ学校だったなんて」


また、助けてくれた。

今度はちゃんとお礼が言えた。


あのときの分も言いたかったけど、そこまでの余裕はない。


「モモの王子様が。あの御幸(みゆき)先輩だったとは」


みゆき先輩――っていうんだ。


女の子みたいな名前で

……かわいい。



「制服、似合ってる。私服もカッコよかったけど。ここの制服をあんなにきっちり着て華のある人、いたんだね。絵になる」
「完全にヤられちゃってるね、モモ」
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