はやく俺のモノになればいいのに

ユキさんの好きなひとは、大人の女性だった。


それも、既婚者。


「俺がそういう目でみてること気づかれてない」
「……告白、しないんですか」
「なんのために」


ユキさんの声が、冷ややかになったのがわかった。


「拒絶されるのわかってて。相手を困らせるだけの告白して。どうするの」



きだという想いを伝えることは、そんなにも罪なのだろうか。


"ハッキリ線引きされてる相手に多くを望むのは難しい。だから無謀って言った"



「ましてや。切っても切れない関係の相手なら尚更のこと。よほど上手くいきそうでもない限りは伝えるメリットないよ」