はやく俺のモノになればいいのに

"切っても切れないカンケイ"


それって、どんな――……


「いわゆる恋愛体質。惚れっぽくて、コロコロ恋人かわって」


うつろな目をして語るユキさんの頭の中は、もう、その女性でいっぱいになっているのだとわかった。


胸が苦しい。


「そのクセ、見る目ないから。よく傷つけられてて。落ち込むたびに、俺の部屋にかまってもらいにやってきて」


部屋に呼ぶくらいの仲なんだ。

それじゃあここに来たことあるんだ。


私じゃない子と、この空間に……。


「自業自得。好きになる相手を間違えた本人にも十分問題があると、そう感じていた俺は、うんざりしてた」


"好きになる相手を間違えた"


「だけど。放っておけなかった」

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