はやく俺のモノになればいいのに

ユキさんは、傷つくそのひとに、寄り添ってあげていたんだね。


「理解不能だった。苦しんだり不安になるくらいなら、恋なんてしなければいいのにって。他人事でいた」


恋愛体質ってところは、出逢った頃の実柑にちょっとだけ似ている。


ユキさんと出逢った翌日にはユキさんと私のこと応援してたんだもんなあ。


あの頃は、また会えるなんて思わなかった。


こうして、ユキさんの部屋に来るなんて、考えもしなかった。


「当時、俺は――勉強してるか、練習してるか、寝てるかって生活おくってて。学校や部活でもないのに人と会うことは気がすすまなくて」


練習……?

何部だったんだろう。


知りたいけれど、今それを聞いてしまうと話の腰を折ることになる。


「他人と距離を置きがちな俺の。一番近い人間だった」
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