はやく俺のモノになればいいのに
「……ユキさん」
「モモが可愛い声でよがるとこ見たい」


――――ドクン


「ひとつになりたい」
「……どうやって」
「授業で習ったと思うよ」


小学生の頃、男女のカラダの仕組みの違いを勉強した。


中学では命の誕生にいてもっと詳しく学んだ。


だけど、教科書に載ってることだけじゃ、曖昧で。


「わからない、です」
「そのうちわかる」
「ユキさんは……それを。教えてくれないんですか」


ドクン


「教えたい」


ドクン


「モモを俺の色に染めたいし。俺の形にしてやりたいけど――この一線だけは越えちゃいけないって、まだ頭では理解できてるつもり」
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