はやく俺のモノになればいいのに
それが本当なら世界に絶望しそうな話だが、さすがにそれはオーバーだろう。


というか

えろいこと……って、どんな?


「じゃあ実柑は、電車でお婆ちゃんに席を譲る好青年は、お婆ちゃん目当てで親切にしてるっていうの?」
「ウッ……」


うろたえた実柑が水をがぶりと飲み込んだ。

異論は、ないらしい。


「みゆき先輩は、心の優しい人なの。きっとこの前も今日も、たまたま目の前にいた私が困っていたから助けずにはいられなかっただけ」
「だとしてもだよ? そんな立て続けに同じ人から助けてもらうなんて可能性、限りなくゼロに近いよね」
「それは……まぁ」


すごくすごーく、偶然だとは思うけど。


「これは運命だ。モモ、御幸先輩と付き合っちゃえ!」
「そんな簡単に言わないでよ」


この先、3年のみゆき先輩と関わる機会なんてそうないだろうし。

ましてや学園のアイドル的グループにいるのだ。


そんな人に、なおさら近づけないわけで。


「でも付き合えたら嬉しいよね?」
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