はやく俺のモノになればいいのに
ユキさんに会うまではこんな自分知らなかった。


恋愛って少女漫画の中の話だった。


「限界だよ。モモ」


荒々しいキスをされ、それに応えているうちに、溶けてしまいそうになる。


「おかしいな」


…………?


「セックスなんて――いっときの快楽を求め合う行為にすぎないと思っていたのに」


…………え?


「なんでモモのことは時間をかけて可愛がってあげたくなるんだろう」


素直によろこんでいいか、わからない。


「モモが相手だと嬉しいんだろう」


だって、つまり、ユキさんは気持ちのない相手と肌を重ねたことがあるって風に聞こえるから。


なんでそんなことしたんですか。
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