はやく俺のモノになればいいのに
カラオケ店の会計をスマートに済ませたあと、右手にお土産の入った袋を持ち、左手を私にあずけてくれたユキさん。
電車賃しか今日払ってない……。
それも、
「俺の家までの切符くらい買うよ」
って言われたのを必死に止めた。
いいのかな。
お金、払わせすぎじゃ……
――――ピッ
改札をくぐるとき
私のICカードの残高が減ったのをみて
これが切符なら
初デートの記念に残しておけたなあ、と
ちょっと思ったりもした。