はやく俺のモノになればいいのに
――――ガチャ


「……モモ」


自分の服に着替えて、荷物をまとめて、ユキさんの部屋から出た。


「私……あの。そろそろ、帰ります」
「え?」
「お邪魔しました!」


ユキさんのとなりにいる女性に会釈したあと、靴を履いて、家を出た。


これでいい。


だって、あの女性は、ユキさんの……


ユキさんの好きなひと。


少しでも一緒にいたいに決まってる。


うざいって言いながらユキさんは喜んでた。


彼女との会話を。


きっと今、ユキさんの心の中に、私が入っていく余地……ない。
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