はやく俺のモノになればいいのに
慌てて、逃げるように帰ってきたクセに、ユキさんからのプレゼントちゃっかり持って帰ってきた私って。
もう一階におりたい。
イチヤくんの尋問やだ。
「髪、耳にかけるクセかわってないな」
顔を近づけてくるイチヤくん。
あんなに短かった黒髪が肩まで伸びて、サラサラで、赤いなんて。
「一時帰国?」
「いや。帰ってきた」
「だったら校則違反だね」
そのピアスも、その髪も。
「ちなみに。私、風紀委員してる」
「いーんだよ。俺は」
「なにそれ」
「ここがいいから」
そういって、私のこめかみに指をあててくる。
頭いいもんねー。
おまけに運動もできて羨ましい限りだよ。
って、目線が合わない。
どこ……見てるの?