はやく俺のモノになればいいのに


イチヤくんの視線

私の首元を向いているような――……


「喰われたんだろ」
「え?」
「今日もヤりまくった? お前。石鹸の香りすんぞ」


ドン、とイチヤくんの胸を押す。


「セフレだろ。あの男」
「……なに!?」
「付き合ってもない男に股開くとか。とんだビッチに成長したな。見た目は子供のクセして」


好きだから、した。

ユキさんが相手だから受け入れた。


それのなにがいけないの?


「ユキさんは。優しくしてくれた」
「そりゃそうだろ」
「え?」
「だけどな、桃葉。これからも同じようにしてもらえると思うか」
「……どういう意味」
「お前が自分のモンになったら。そのうち本性現すだろって言ってる」

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