はやく俺のモノになればいいのに


「彼氏がね。友達と旅行したらしいんだけど」


まどかは常に恋をしていた。

俺じゃない、誰かに。


「……浮気、かも」
「は?」
「写真見せてって言ったら。ないって」
「撮ってないんじゃないの」
「ありえなくない? 1枚も撮らないとか」
「別れれば。そんなやつ」


付き合う男は軽そうなやつばかりで、


「どこかに、あたしだけ見てくれるイケメンいないかな」
「まずは見る目を養えば」
「ちゃんと話、聞いてくれて。嘘つかなくて。あんまり色んな女の子とベタベタしなくて……あれ。リトめっちゃあたしの理想かも」
「ハイハイ」
「大人になってもリトに女っけなかったら。あたしと結婚しよっか」
「……バカなの」


そんな冗談に、振り回されていた。
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