はやく俺のモノになればいいのに
先に暴力をふるったのは、相手だ。
まどかに大きな心の傷を負わせた。
仮にこちらが被害を訴えるならことの詳細を話さなければならない。
当時のまどかは精神が不安定になっていた。
余計な不安を抱えさせるわけにはいかなかった。
まどかの心を守るために俺は頑なに口を閉ざした。
きっと、話し合いの場にいた大人たちは、なにがあったのか少なからずわかっていたのではないかと今なら思える。
俺の父親は、連れ子のケアをするよりも、一刻も早く丸くおさめ自分の体裁及び俺の将来を守りたかったのだろう。
相手の両親は金を手に入れられればそれで満足した様子だった。