はやく俺のモノになればいいのに
それをきっかけに、男に依存しがちだったまどかも恋愛から離れた。


俺と家で過ごす時間が増えた。


まどかに一番近い異性は、昔のように、俺に戻った。


俺の前では笑ってくれた。


それが俺は嬉しかった。


どんな立場であろうと、たとえ手を出せなくても、傍にいられることが幸せだった。


俺は、いつか、自分が選ばれる未来を想像して過ごした。


やがてまどかは仕事に就き、職場環境にも恵まれ、立ち直ったように見えた。


高校生になった俺は学業に専念し、用意されたライフプランを着実に進めていた。


いつか、大人になったとき

養ってもらうのではなく、自分で稼ぎ、まどかに釣り合う身分や年齢になったとき


きっと、まどかは俺を受け入れてくれる。


そんな気がしていた。


"リトめっちゃあたしの理想かも"


本人も覚えていないだろう言葉に期待した。

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