はやく俺のモノになればいいのに


……カノジョにしてくれるんですか?


――――なりたい


「私、」
「待って」


唇に、人差し指をあてられる。


「俺から言わせて欲しい」


コクンと頷くと、ユキさんは、私の目をまっすぐに見て口を開いた。


「モモが好き。大好きなんだ。手放すなんて考えられない。他の誰でもないずっと一緒にいたい」


夢、みてるのかな。


「俺の永遠をあげる」


私に都合のいい夢を。


「俺の恋人になって」
「…………っ」
「やめろ!」


イチヤくんがユキさんを私から引き離す。


「まだ桃葉に暗示かけんのか」
「大切にする」
「……は?」
「君個人に興味はないけど。君が桃葉の大事な友人だっていうなら。俺は君が安心できるような男でありたいと思う」
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