はやく俺のモノになればいいのに


なに言ってるんですか比嘉先輩。


「は、そんな景品……即返品っすから」


「目が泳いでるよ」

桜井先輩がニヤニヤしている。


「やめてやれ。これでも本人は誤魔化せてるつもりなんだ」


という朝霧先輩に


「……とどめさしてます」


ツッコミを入れた実柑が手で自分の顔を覆っている。


「ちがっ……俺は、桃葉のおばさんから『仲良くしてやってね~』って頼まれてるから。その責任がある」


やっぱりお母さんイチヤくんにそんなこと頼んでたんだ。

そんな気がしてたんだよね。


「イチヤくん」
「な、なんだよ」
「またご飯食べに来てね。絶対お母さん喜ぶ」
「……おう」


「イチヤがちょっとフビンに思えてきた」


比嘉先輩が苦笑いしたとき


「俺もモモの家にご飯食べに行きたいな」

ユキさんが、ぽつりとつぶやいた。
< 464 / 553 >

この作品をシェア

pagetop