はやく俺のモノになればいいのに
なに言ってるんですか比嘉先輩。
「は、そんな景品……即返品っすから」
「目が泳いでるよ」
桜井先輩がニヤニヤしている。
「やめてやれ。これでも本人は誤魔化せてるつもりなんだ」
という朝霧先輩に
「……とどめさしてます」
ツッコミを入れた実柑が手で自分の顔を覆っている。
「ちがっ……俺は、桃葉のおばさんから『仲良くしてやってね~』って頼まれてるから。その責任がある」
やっぱりお母さんイチヤくんにそんなこと頼んでたんだ。
そんな気がしてたんだよね。
「イチヤくん」
「な、なんだよ」
「またご飯食べに来てね。絶対お母さん喜ぶ」
「……おう」
「イチヤがちょっとフビンに思えてきた」
比嘉先輩が苦笑いしたとき
「俺もモモの家にご飯食べに行きたいな」
ユキさんが、ぽつりとつぶやいた。