はやく俺のモノになればいいのに


夏休みが、明けた。


「モモ〜。久しぶり!」


いかにも土産屋って感じの包装紙でできた小袋を実柑から手渡される。


「2人に」


ふたり?


「開けてもいい?」
「うん」


小袋から取り出したのは、


「ご当地限定カフェ猫グッズ……!」


1本は、黒ごま

もう1本は、ピーチがデザインされたボールペン。


めちゃくちゃ可愛い。


「ありがとう!」
「お揃いで使ってよ、御幸先輩と」


ユキさんのステショは学校だと狙われるし、家で使ってもらおう。


「ユキさんが恋しいでしょー。彼、夏休みは予備校行ってたんだよね」
「うん。遅くまで勉強頑張ってたみたい」


負担になりたくなくて、私からは、連絡できていない。


「受験生が相手だと色々気を使いそうだね」


でも。


「電話……くれてた」
「お?」
「どっちかが寝るまで。話す感じの」


それを、毎日の楽しみにしていた。


「愛されてるねー。会ってはないの?」
「……夏祭りと花火大会に。連れて行ってもらいました」
「理想すぎる彼氏か」
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