はやく俺のモノになればいいのに
「おっす」


遅刻ギリギリに登校してきたイチヤくんは、肌が小麦色に焼けていた。


「ずりいぞイチヤ」
「あ?」
「沖縄のビーチで美女に囲まれやがって……!」
「あれは仕事だ」


実柑が読者モデルをする雑誌に、毎月ではないけれど載ることになったイチヤくん。


職場の人にすすめられて始めたらしいSNSに、撮影の合間の様子が投稿されていた。


夏休み中、イチヤくんもお土産をくれた。

紅いものタルトをうちに持ってきてくれたのだけれど

そのままでもイケるしオーブでちょっと焼いてから食べたら更に美味しい! ってお母さんが喜んでいた。


「イチヤ~、オンナ紹介してくれよ」
「断る」
「意外にそういうとこ固いよな」
「お前らがトラブル起こしたら俺の責任になりかねん」
「そこは信じてくれよ~」
「散れ」


実柑とイチヤくんが載る雑誌は永久保存版だな。
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