はやく俺のモノになればいいのに
「やってもいい」


意外や意外。

体育大会のような行事でもなければ、そんなに積極的に参加してる印象ないイチヤくんが二つ返事で引きうけた。


「けど、桃葉とセットな」


――――!?


「それいいね」

と、実柑。


いやいや

私は裏方の方が向いてると思うけどなあ?


「演目は~」


えぇっ、私の意見は聞いてくれない……感じ?


「モモは、美女と野獣よりは。シンデレラ。シンデレラよりは、白雪姫」


真剣に考えてるとこ悪いけれど実柑、やるなんてヒトコトも……


物覚え悪いし。滑舌も良い方ではないし。


実柑がステージ立った方が男の子も喜ぶよ。


「現代ものの方が衣装ラクそう」
「たしかに。私物で小物も集められるね」
「教室にあるもの運んで使えるな。学園が舞台なら机とか椅子が」


クラスメイトが、少しずつ話し合いに関心を持ち始める。


「俺の部活で使ってるユニフォーム、本番で提供してもいいぜ」
「ねえ、アレなんてどう。現代だけどファンタジー要素あって面白いかも」
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