はやく俺のモノになればいいのに
翌日
ユキさんの家にあがると
「お邪魔します」
「どうぞ」
少し来ないあいだに、カフェ猫のグッズが増えていた。
クレーンゲームしたんですね……!
予備校近くのゲーセンでケースに向かって器用にクレーンを操るユキさんの姿を想像してみる。
キュンとした。
「学園祭の話とか。せっかくだから聞かせてよ」
「え?」
「モモが頑張ってる話。興味あるな」
「でも。ユキさん、勉強が……」
「半日休むくらい。大丈夫」
いつもと変わらない、優しさ。
「久しぶりに2人でゆっくりできて嬉しい」
私を安心させてくれる、言葉。
これ以上ないくらい幸せなのに。
大好きなのに。
なにが足りないの。
なにが――……
「モモ」
ユキさんの顔が、近づいてくる。
「落ち着かない?」