はやく俺のモノになればいいのに
ドクン


ドクン


ドクン


「今だ」


という合図で、ボタンから指を離す。


アームはまったく想定していない場所に降りていき、その先で――


「え……」


しっかりと、ねずみ色の猫のぬいぐるみがついたキーホルダーを掴み上げた。


それが見事に取り出し口に落とされる様を呆然と眺めていると


お兄さんは屈んで、そして立ち上がり


「どうぞ」


と戦利品を手渡してくれた。
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