はやく俺のモノになればいいのに
「今後の色んな手続きは。俺の方で申請の書類とか揃えて。前倒しで準備しておけばギリギリに焦らないかな」
いやいやいや。
それは時間のある私が、調べておきますし、やりますよ……!
「病院で、どんなことするんでしょう」
「やっぱり最初は予定日を教えてもらうんじゃないかな」
「いつ……でしょうね」
「んー。俺の予想だと3月下旬」
どうやって予想したんです?
「妊娠の週数って最終月経の初日から数えるんだけど。モモは、そのへんズボラだからなあ」
ごめんなさい。
「受精した日から計算したらそのくらいなんだよね」
「じゅっ……」
うろたえる私の耳元で、
「俺とモモの生殖細胞が一つになった日」
ボソッとそんなことを言われた。
「……っ」
「なーに、照れてるの」
「なんでも……」
「みて」
携帯画面を見せられる。
そこには赤ちゃんのイラストと数字が書いてあった。
「カウントダウン」
「えっ。すごい」
「2人で一緒に使えるみたいだよこのアプリ」
「わ、私も! インストールしたいです」