はやく俺のモノになればいいのに
昼休み、食堂でご飯を食べ終えると
ユキさんに勝負をしかけては、
昼休み終了5分前のチャイムに引き分けを告げられているイチヤくん。
「俺は赦さん」
「もう受け入れるしかないって、イチヤ。モモこんなに幸せそうで。モモの両親もユキさんが説得したんだし。あんたが頑固オヤジみたいになったところで――」
「赦してたまるかよ。あいつは。強引に桃葉を自分のモノにしやがったんだ」
ここ、保健室に
こうして集まるのも残り僅かだ。
「はやすぎるとは思うけど、赤ちゃんは授かりものだからさ。命の誕生はめでたいことだよ」
「そりゃあ……」
「御幸先輩に憤りを感じるのもわかるよ。でも。イチヤ、言うことあるんじゃない」
実柑が、真剣な顔つきでイチヤくんに問いかける。
「あたし先に教室戻ってる」
カーテンの向こうに消えていってしまった。