はやく俺のモノになればいいのに


「桃葉」


頭に、ポンと手を乗せられる。


「お前が好きだ」
「…………」
「なんか言えやキスすんぞ」
「えっ」
「他の女に目を向けてみようとしたこともあったが。まあ。無理だったな」
「私のこと。子供扱いしてきた、のに」
「うるせえ」
「全く恋愛対象っぽく感じないのに……!」
「余裕で対象だっつの。むしろドストライクでムカつくわ。なんでお前がいいか説明すんの、面倒なくらいにはな。あいつでなく俺のガキ孕めやと思うマジで」
「なっ……」
「死ぬほどミユキが羨ましい」
「……ごめん」
「謝んなバァーカ」
「気づかなくて」
「そんなお前だから好きになったんだよ」


…………あれ?


イチヤくん、が。

初めてユキさんを


"ミユキ"


名前で、呼んだ。
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