はやく俺のモノになればいいのに

「ぜ、全然ですよ! 最近お母さんとパソコンで一緒に新生児用品とか見てたんですけど。近所のお店よりずっと種類が豊富で。ポイントの貯まりやすい日に買ったら、それでまた好きなものが買えちゃうのすごいですね」
「はあ。かわいいなー」
「え?」


じっと綺麗な顔で見つめられる。

ああ、私も、まどかさんみたいに素敵な大人になりたい。


「まさか、リトが彼女を。それも。こんなに可愛らしい年下の子を。妊娠させるなんて」
「……ふつつか者ですが」
「ねえ。1回でできたってホント?」


なんでそのこと……!?


「っ、はい。いや。3回……のうち。心当たりあるのは、1度です」


こんなことを赤裸々に話す仲にまでなれたのは、良かったの、かな。


「本人問い詰めたらナカには……だしてないって言ってたけど」


問い詰めたんですか。


「ほんと。奇跡の塊みたいな子だよね」
「……まどかさんは。その。計画的に……?」


って、なに聞いてるんだ私は。


「うちはね、はやく欲しいよねって夫婦で相談した結果。妊娠しやすい日を計算して。それなりに励んでできたよ」


はげん……でっ。


「プレママ同士。よろしくね」


プレママというのは、初めての妊娠をしたお母さんのこと。


「こちらこそです……!」
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