はやく俺のモノになればいいのに


 *


「まだあんまりお腹目立ってないよね」


数日後

うちに、実柑が遊びに来た。


「元々丸いからじゃねえの」
「失礼な」


イチヤくんも一緒だ。


「性別わかったー?」
「うん」
「マジか。どっちだよ」
「へへ」
「言えや」


まだはやいってわかっていても、色々と揃えたくなってベビー服の売り場に行くと、ビックリするくらい小さな洋服や靴下に胸がときめく。


「ねえ。ベッドとかベビーカーとか。買った?」
「まだだよ。これがいいなーって思ったやつはユキさんに伝えてある……かな」
「俺が組み立ててやる」
「ねえ。いつまでユキさんって呼んでるの〜? 自分もミユキになるのに」


理人さん、て。


呼んだことない。


呼ぶの……照れるなあ。


旦那さんって感じだなあ!?


「あいつに全部買わせろよ。一番いいやつ頼んどけ。安全で。寝心地よくて。抗菌で。速乾性あってオーガニックで。肌にいいような。ベッドには最高級マットレス敷いてもらえ」


今からそんな贅沢ばかりできないよ!?


「イチヤお父さんってより口うるさいコジュウト化してる」
「誰がコジュウトだ」
「食べ物にも気を使うよねー」
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