はやく俺のモノになればいいのに
委員会の用事さえなければ……

待てよ、帰る途中で濡れてしまうよりはマシかな。


一番困るのは屋根のない場所での、ゲリラ豪雨。


そう考えると学校にいる間に降ってくれたのは、まだラッキーかもしれない。


仕方ない。

やむまで待つか。


きっと通り雨だから、そのうち晴れるだろう。


どこで時間を潰そうかな、と

Uターンしたそのとき。


「すごい雨量だね」


――いつから隣にいました?


「ユキさん……!?」
「モモも。傘、ないの?」
「は、はい」


――モモ“も”


どうやらユキさんも、傘がなくて困っているようです。


「早くやむといいですね」
「どうして?」
「えっ……」


だって、やまなきゃ帰れませんし。


あれ。


あれれ?


困ってるわけじゃないの?


「俺はまだやんで欲しくないかな」
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