はやく俺のモノになればいいのに
「カフェ猫総選挙?」
「投票は、もう終わっちゃったのですが。サイトにアクセスしたら順位は見れます!」
「へぇ。そんなのあったんだ」


雨音にユキさんの声が消されてしまいそう。


普段と変わらない落ち着いたトーン――私の大好きな声色は、傍に寄らないと、聞き逃してしまいそう。


「でも。そっちじゃないんだけどな」
「え?」


ユキさんの綺麗な声が雨音にかき消されてしまった。


なんて言ったのかな。


……もう少し。


もう少しだけ傍に寄ってもいいですか?
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